レッドビーシュリンプを飼育するなら、押さえておきたい情報として値段やグレードがあります。さらに調べるうちに、ビーシュリンプの種類というのも気になるかもしれません。
この記事では、レッドビーシュリンプの値段やグレード、さらに混同しやすい種類について詳しくご紹介します。
レッドビーシュリンプとは?
こんな経験はありませんか?
- 熱帯魚屋さんやホームセンターのペットコーナーで水草の綺麗な水槽を見ていると、今まで見たことがない赤と白のストライプの小さな可愛いエビがいた。
- 熱帯魚の本を見ていたら、表紙に赤と白の綺麗なエビの写真があった。
urushiとレッドビ―シュリンプは、まさにこんな出会いでした。某有名熱帯魚雑誌に赤と白のストライプのキレイなエビが、水草水槽の中にいる写真が目に留まりました。
『水草のレイアウト水槽に入れれば可愛いアクセントになる!』と思ったのが飼い始めたきっかけです。
その後どっぷりとはまってしまうのですが…。苦笑
レッドビーシュリンプの基本データ
- ヌマエビ科・カワリヌマエビ属のエビの一種。
- 苔取りで有名なミナミヌマエビに近縁の淡水エビ。交雑はしません。
- 中国にいたエビが輸入され、赤エビに白い縞模様が入る個体を日本で作出固定したもの。
今では、多くのブリーダーさんが選別し改良を重ねて、いろいろなタイプ(赤と白の模様の事です)のレッドビーシュリンプがいます。
レッドビーシュリンプとビーシュリンプとの違い
まずは、レッドビーシュリンプとビーシュリンプとの違いについてです。
レッドビーシュリンプというのは、写真のような赤と白の個体のことを言います。
ビーシュリンプというのは、写真の手前の個体のように、黒と白の色のエビのことを言います。分かりやすく、黒ビーとも呼ばれます。(奥の個体はレッドビーシュリンプです。)
最初は、ビーシュリンプ(黒)しかいませんでした。突然変異で出た赤い個体を、遺伝的に固定したのがレッドビーシュリンプです。言い換えれば、レッドビーシュリンプとビーシュリンプは、色が違うだけで同じ種類のエビです。
ビーシュリンプとレッドビーシュリンプを掛け合わせると、茶色いビーシュリンプが生まれます。
レッドビーシュリンプのグレードと値段
レッドビーシュリンプは、次の点などからグレードと呼ばれる鑑賞価値の段階分けをされ、グレードごとで値段が決まります。
グレードに関しては呼び方は、ブリーダーやショップによって色々あります。大きく分けると4段階あります。
レッドビーシュリンプのグレード
- 選別もれ、選別外、初心者向け
- ミドルグレード、Sグレード
- トップグレード、SSグレード
- 種親グレード、SSSグレード
グレードは上の表の数字が大きくなるほど高くなり、レッドビーシュリンプの値段も高くなります。
グレードの呼び方や分け方は、ブリーダーさんや飼育者、販売店が独自に決めているので、実際はバラバラです。特にヤフオクの出品などでは、愛好家が直接販売しているのでグレードには差があることもあります。
信頼できるブリーダーさんから入手できれば、グレードが低い個体からでも次世代にキレイな子が生まれてくるのでおすすめです。
選別もれ、選別外、初心者向け
各グレードについてもう少し詳しく説明します。
ブリーダー(一般飼育者を含む)が選別をした際に除外した個体、お値段も手頃です。白色が透明のように色が抜けている個体や、赤色が薄い個体が多いです。また、小さな若い個体であることが多いです。
ちなみにブリーダーさんのところでは、種親グレード以外は選別もれ&出荷個体となります。
ミドルグレード、Sグレード
選別もれ個体よりも、ワンランク上のキレイな個体です。色抜け等ないものの、白や赤の色が薄い個体です。
トップグレード、SSグレード
種親には使わないレベルですが、とてもきれいな個体。白も赤も濃く色味がハッキリしています。値段は高いですが、キレイなビーシュリンプを手に入れるには近道です。
種親グレード、SSSグレード
種親として水槽にキープしておくレベル。通常は販売されません。ブリーダーの作りたい個体そのものです。
レッドビーシュリンプのグレードの基準
レッドビーシュリンプのグレードを決めるためには、選別という作業をします。
選別を繰り返し、世代を重ねることで、自分の思い描くレッドビーシュリンプを目指すことができます。
選別にはいろいろな基準がありますが、初心者や中級者の方は、まずは体格が大きく、色の濃い個体を目指せば間違いありません。
ここから書くことは、どちらかというとマニアックな記載です。一般家庭で愛玩としてレッドビーシュリンプを飼育している場合は、自分の気に入った個体を可愛がって飼うことが一番大切だと思います。元プチブリーダー目線で、分かりやすく書いた記事だと受け取ってください。
色の表現
レッドビーシュリンプには、その色味(色の配置)から、日の丸、モスラ、バンドなどという呼び方があります。これを表現と言います。表現については、後で詳しく解説します。
昔はモスラが高額でしたが、最近はスタイル重視の傾向になっています。モスラを追い求めすぎて、レッドビーシュリンプの血が濃くなり小さな弱い個体が増えたことも一因です。
モスラの表現を持つ小さな色の濃い個体よりも、バンドでも日の丸でも色が濃く大きな個体の方が評価されます。
昔は、白エビ(スノーホワイト)と交配しモスラを目指す時代もありましたが、白エビと交配すると白の厚みが薄くなったり、白に赤みがにじんだりとしたため、現在では避けられています。これは一般的な家庭での話でなく、ブリーダーの間での話です。
色の厚み
色の厚みは白地や赤地が濃いかを表す言葉です。特に白が厚い、という言葉を白地には使います。
レッドビーシュリンプの色素は、よく見ると何層にもなっており、その層1つずつにしっかりと色が付いていると、色味が濃い個体になります。ですので、厚いという言葉を使います。
色の系統の違うシャドーシュリンプには使わない言葉ですね。
全体の色の厚み(濃さ)以外にも、足先や尾の先、髭の先まで色が乗っているかが重要になります。
足の色彩は、大きくは赤足と白足に分けられます。どちらにしろ、しっかり色が付いているのが良しとされます。
さらに、眼の間の部分。通常は髭と呼ばれます。触角が生えている付け根の部分です。その部分まで色が濃くある個体が良い個体です。
個体の大きさ
極端に小さくなっていないか?これは、とても重要です。小さな個体は、生命力が弱く、いくらキレイでも繁殖に向きません。
繁殖可能な成体のサイズが小さいというのは虚弱なエビということになり、寿命が短く小さいうちに死んでしまうというのも一つの弱さの指標になります。さらに繁殖に耐えられない場合も多いです。
昔は3センチくらいあるビーシュリンプもいましたが、今では本当に少ないです。個人的には成体で2.5センチ以上の個体を目指したいところです。
年数をかけて、ビーシュリンプのサイズが小さくなっています。
体のバランス・スタイル
頭でっかちになっていないか?これもとても重要です。頭でっかちになっているということは、血の詰まり。
つまり兄妹交配や父娘交配が進み、血が濃くなりすぎて奇形に傾いていることを示唆しています。早急に他血統導入や、黒ビーとの掛け戻しが必要になっています。
キレイなエビでも、体のバランスが崩れている個体は種親にはしてはいけません。
血統の透明性
どのような血統の背景があるか?これは普通にレッドビーシュリンプを購入した場合は分かりません。ですので、信頼できるブリーダーのレッドビーシュリンプを入手することをオススメします。
有名だから、ネットでよく見るから、それらが信頼できるブリーダーという訳ではありません。レッドビーシュリンプが大好きで、勉強熱心で、嘘をつかないブリーダーが良いブリーダーです。
どのような種親を使い、それは何世代続いていて適正に血の分散が行われているか?が大切なポイントです。ですが、レッドビーシュリンプを見ただけでは判断できません。分かるのは、何世代も後になったころです。
これらを踏まえ繁殖している優良なブリーダーさんのエビが信頼が高く、それに比例して値段も高くなっていると言えます。(一部、値段だけが先行しているブリーダーさんもいますが…。)
ひとりごと
ここまで書いた内容は、前にも述べていますがあくまでブリーダー目線の話です。一番は、今いる個体を可愛がり、新しい血統も導入しつつ自分の思うレッドビーシュリンプを作り上げることです。
縁があって、お家の水槽に居るレッドビーシュリンプを、ぜひ大切ににしてあげてくださいね
レッドビーシュリンプの種類(表現/柄)
レッドビーシュリンプは外見の見た目から、大きく分けてバンド・タイガー・日の丸・進入禁止・モスラと呼ばれる名前がついています。これを表現とも言います。
写真とともに実際のレッドビーシュリンプの種類を見ていきましょう!
urushiの飼育中のシュリンプ達なので、表現とサイズが教科書通りの個体とはいきませんが、特徴は掴んでいただけると思います。
バンド
バンドとは、背中の赤い部分が腹まで巻いている個体の呼び名です。腹節部の赤い模様(頭と尾の間の赤いところ)が帯状になっているのが特徴。
タイガー
タイガーとは、腹節部の赤い模様が二股に分かれているのが特徴です。トラの縞模様から命名され、タイガーと呼ばれている。
日の丸
日の丸は、腹節部の赤い模様が腹まで届かず斑点状になっています。さらに真上から見ると日の丸のように見えることから、日の丸と呼ばれています。
進入禁止
侵入禁止は、腹節部の赤い模様が腹まで届かず、さらに斑点状に白い線が入る。上から見ると進入禁止の看板に似ていることから、こう呼ばれています。
モスラ
モスラは、腹節部の赤い模様が無く白一色となっています。色彩が白勝ちになることでカイコの幼虫に結び付け、モスラと呼ばれる。
丹頂
丹頂は、頭部分の白いマロの部分が広がりつながった状態です。上から見ると、頭頂部に赤い班点があるように見え、丹頂鶴の頭に似ているのでこう呼ばれている。
白足/赤足
体の部分の柄以外に、足だけに注目した呼び方も存在します。
足の赤い個体を『赤足』、白い個体を『白足』と呼びます。 この足の色は、血統を作り上げていく時にも重要な要素となります。
これは、侵入禁止の赤足だね。という風に使います。
ビーシュリンプ(黒ビー)
また最初に説明したように、黒と白のレッドビーシュリンプもいます。 レッドビーシュリンプとは呼ばず、ビーシュリンプもしくは黒ビーと言われています。 レッドビーシュリンプは、黒い個体のから色素突然変異で生まれた個体です。
ビーシュリンプもレッドビーシュリンプと同様に、バンド・タイガー・日の丸・進入禁止・モスラと表現によって呼び方が変わります。
シャドーシュリンプとは?
見慣れないとビーシュリンプとの違いが分からないかもしれませんが、シャドーシュリンプは、ビーシュリンプとは違う種類のエビです。
ビーシュリンプは白地に黒や赤が乗っているイメージの色をしていますが、シャドーシュリンンプは透明なベースに黒や赤がなどの色が乗っている感じで、体色は全体的に透明感があります。
ビーシュリンプ以外のエビも少しご紹介します。
シャドー系シュリンプは大きく分けると、黒いブラックシャドーと赤いレッドシャドー、さらに青いターコイズの3種類がいます。
シャドーシュリンプはビーシュリンプと交雑するので、血統を大切にしたい場合は水槽は分けて飼育する必要があります。
ブラックシャドーシュリンプ|フルブラック
ブラックシャドーのフルブラックと呼ばれるタイプは、尾の先以外が真っ黒。スタンダードなタイプでしたが、いろんなエビとのハイブリット化が進んできてこのタイプは珍しくなってきています。
ブラックシャドーシュリンプ|パンダ
黒と白の色ですが、ビーシュリンプ(黒びー)ではありません。白い部分が青みがかっていたり、黒い部分にも透明感があります。
レッドシャドーシュリンプ|キングコング
レッドシャドーシュリンプのキングコングタイプです。キングコングと呼ばれるタイプは背中部分に白いスポットが入ります。
ターコイズシュリンプ
ターコイズシュリンプもシャドーシュリンプのタイプ違いのエビです。15年以上前の記憶でうろ覚えですが、シャドー系とビーシュリンプの交雑から出たエビだった気がします。
ハイブリット系シュリンプ
ビーシュリンプの他にも、タイガーシュリンプやシャドーシュリンプやビーシュリンプ、原種のエビなどと掛け合わせたハイブリッドのエビがいます。エビの種類は年を増すごとに増えています。
容易に交雑することから、逆に1種血統を固定をしたり、もしくは多種と交雑させることで新たな種を作り出したりといった楽しみ方もあります。
2010年ごろヨーロッパや台湾など海外勢が続々とハイブリットを作出し、日本に入ってきてめちゃくちゃびっくりしたのを覚えています。
usushiはハイブリットシュリンプには詳しくないのですが、初心者さんの参考になるようにちょこっとだけ写真でご紹介します。
ハイブリには詳しくないんですけれど、ご参考までに。
レッドファンシータイガー
レッドギャラクシー
ビーシュリンプの種類/値段/グレードを知ろう! まとめ
ビーシュリンプには、黒いビーシュリンプと赤いレッドビーシュリンプの2種類に加えて、黒と赤の混ざった茶色い個体がいます。シャドーのターコイズなどは、別の種類のエビです。
レッドビーシュリンプは柄によって、モスラやタイガーなど呼び方が変わる特徴があります。さらに、色の濃さや血統などでグレードが設定されています。
慣れてくると、エビの種類やグレードを見分けられるようになります。
たくさんの色んなエビを見てくださいね。
レッドビーシュリンプを含め、観賞用のエビの最大の楽しみはマニアックになればなるほど繁殖かなと。 鑑賞用のエビは、一生のサイクルが早いので、継代し進化させることが出来ます。
繁殖し、選別を行うことで、目的とする大きさ・フォルム・カラー・繁殖力などをトコトン突き詰めていきます。 エビのブリーダーさんは日々の自分の目的とするエビを探求し、その成果として美しいエビを作られています。
ブリーダーさんの努力は凄まじいです!本当に。
シュリンプ水槽は独特の立ち上げ方法をします
良い情報やご質問あればどうぞ!