この記事では、レッドビーシュリンプの飼育を助けてくれる『酵素』についてご紹介します。
結論から先に言いますと、urushiは酵素の添加をおすすめします。この記事では、レッドビーシュリンプの調子を上げる『酵素』についてマニアックにご紹介します。
酵素以外にも与えています!
レッドビーシュリンプの飼育に役立つ酵素
urushiがレッドビーシュリンプの飼育に有益な効果があると思う酵素とその働きは、下記の3つです。
レッドビーシュリンプ飼育に有効な酵素
- 消化・栄養吸収に作用する酵素
- 新陳代謝に作用する酵素
- 水質浄化に作用する酵素
一つずつ詳しくマニアックにご紹介していきます
ちょっとマニアックに飼育論を追い求めた考えを綴っています。生物系の研究者をしていたのでつい調子に乗って書いていますが、要点だけ掴んでもらえればOKです。
レッドビーシュリンプに効く『酵素』の働き
酵素って聞いても、「何となく稚エビの生存率が上がったり、水が状態良くなったりするもの」といった認識ではないでしょうか。
いったい酵素とは、何なんでしょう?
酵素とは何か?
素はアミノ酸がつながってできたもの、つまりタンパク質なんです。酵素といえばアミラーゼが代表的なものだと思います。
学生の頃、理科の授業を覚えていますか?
『ご飯を良く噛むと、甘い味がしてくる』←これこそアミラーゼと呼ばれる酵素の働きです。唾液中に含まれるアミラーゼが、咀嚼活動によってデンプンと反応し、糖に分解されるからです。
そして、胃液の中にはペプシンという酵素があり、これはタンパク質を分解し吸収しやすい形にしてくれます。
つまり、酵素は、高分子を低分子に分解するときに欠かせないものなのです。
酵素の働きの例
◆デンプン→糖
◆タンパク質→ぺプチ
こんな感じに物質をより小さくし、吸収できる形に変えてくれるのが酵素の働きです。
ヒトは、デンプンそのままでは吸収できません。アミラーゼという酵素の働きがあってこそ、はじめて糖に変化させ吸収することができます。酵素は消化吸収にとても深く関係してるということです。
酵素はレッドビーシュリンプの栄養吸収を助ける
消化酵素に代表されるように、酵素がなければ、せっかく摂取した栄養が体内に吸収できる形までもっていけないのです。
成長促進に酵素が良いと言われるのは、レッドビーシュリンプの体内に直接酵素を取り入れさせたり飼育水を介して届けることで、栄養の吸収を助けてくれるので成長率が良くなるからだと思います。
レッドビーシュリンプの原種は、自然界では分解者に位置します。エビが採食し栄養を吸収することは、他生物の死骸排出物を分解し土へ栄養を返す役割になります。いろいろな酵素が複雑に絡み合って働くことで、分解者は大きな栄養素を徐々に変化させて土に返し、そして植物がその栄養素を利用します。
しかしながら、水槽の中は人工物の塊です、ミネラルや『酵素』の添加がより自然環境に近づけることになるなら、それは当然エビにとって良い方向に向かっていきます。
いや、それ以上の効果を得ることができるのも人工物の力です。
レッドビーシュリンプの飼育でカルシウムを添加するのはなぜでしょうか?
水道水で飼育するとカルシウム不足になりやすいから、または自然界より過密飼育である水槽内でレッドビーシュリンプの必要量に満たないから…これらの理由は、やっぱり自然環境に近づけてやってエビを健全に育てたいからです。
つまり、自然界よりも密度が高い状態で、個体を健康的に飼育するためです。
限られた空間である水槽で飼育するレッドビーシュリンプにとって、酵素も有効なアイテムの一つです。
酵素はレッドビーシュリンプのミネラル吸収を助ける
レッドビーシュリンプの水槽にいろんなミネラルや添加剤を入れていますよね?
自然界と違って限られた水槽内で、多くのレッドビーシュリンプを飼育するのには当然です。でも、いくら各種栄養やビタミンやミネラルを与えていても酵素が不足すると効果はでません。
食物の栄養吸収や神経の働き、体の細胞や血液や殻を作ったりする、免疫などの働きは全て酵素が関わっています。
酵素が不足すると、せっかくカルシウムやビタミン類などのミネラルを、添加して摂取させようと試みても十分な効果が得られないのです。
たとえば、人間でも健康に気を使ってサプリを採っても、酵素の量や働きが不十分だと排出され効果は半減してしまいます。
そして、シュリンプは消化器官が未熟なので栄養吸収が下手なんです。
urushiが使っている酵素2つ
酵素がレッドビーシュリンプの成長を促進
栄養をいかに無駄なく吸収させるかが、レッドビーシュリンプの飼育ではとっても大切なことだとurushiは思います。
レッドビーシュリンプをはじめエビは、ヒトに比べ栄養の吸収機能が発達していません。だから常時ツマツマして摂取をしています。 ツマツマと摂食機会の量を増やすことで、必要な栄養を摂取するのです。
酵素を用いることで、消化吸収が苦手なレッドビーシュリンプの栄養摂取を助けることができます。
まだまだ酵素には成長促進以外にも、レッドビーシュリンプの飼育に良い効果を与える働きがあります。
細胞分裂に関係する酵素
細胞分裂に作用する酵素は、細胞分裂やもちろん脱皮にも関係しています。
簡単にいえば新陳代謝に関わる酵素ですので、稚エビの成長や性成熟、寿命全てにかかわってきます。不足すれば、健康にレッドビーシュリンプを育成できませんし、効率よく繁殖させることもできません。
付随しますが、病気に対する抵抗力にも酵素は関与しており、酵素が足りなくなってしまうと病気や水質の変化などに弱くなってしまいます。
体内で作る事が出来る酵素は、量も種類も決まっています。ですので、酵素を添加し外から酵素を補う事で酵素不足を補う(酵素保有量を上げる)ことがポイントになるというわけです。
消化や細胞分裂に関する酵素は、言い換えると成長促進する酵素です。
水を作るのに役立つ酵素と水質浄化
じつは、水質の浄化に関わっているバクテリアの働きに、酵素がとても深く関与しています。生物内で行われる化学反応というのは、『酵素』がもたらすものだからです。
酵素は、自身は変化せず周りの化学反応を変化させる『触媒』にあたります。
体の中の化学反応は酵素が関わっていることが多いのです。
水質の浄化に作用する酵素
水質浄化に関する酵素は水の中の有機物を分解するのに役立つ酵素です。
この酵素は汚染物質を硝化分解し、水の透明度の向上や沈殿物の減少、バクテリアの活動の活性化を促進します。その事により、リン・窒素・アンモニア等の自然現象を強化補助し自然のバランスを保つ作用があります。
バクテリアが持っている酵素と似た働きです。
酵素とろ過バクテリアの関係
分かりやすい例題で説明します。
バクテリアも酵素を持っています。その酵素が触媒となり亜硝酸を硝酸塩なんかに化学反応させ変化させているわけです。
バクテリアなどの微生物が持っている酵素は少し特殊で、他の生体にとっては好ましくない有機汚染物質(有機化合物)を分解し、CO2やH2Oなどといった物質を無害なものにするといった作用があります。
酵素を飼育水に添加することによって、酵素が持つ触媒作用を活用して、飼育水やソイル中に存在する有機物汚染物質を分解消化させることが狙える。これが、酵素が水質浄化に役立つといわれるゆえんです。
発酵も酵素の働き
補助知識として、日常生活で聞く『発酵』という言葉。これは酵素の働きのことを指しています。
納豆菌が大豆を発酵させたり、穀類などを発酵させてお酒を作ったりと、実は酵素の利用は身近なものです。
小さい菌類やバクテリアが自分の酵素を使って、『あるもの』を『違うもの』に変える。素晴らしい力だと感じます。しかも、有毒物質を無毒化する。
菌類やバクテリアが居なければ、シュリンプの飼育環境はとても生きられるものではありません。ヒトの住む地球も同じことが言えます。
酵素をうまく使用し、シュリンプが順調に増える環境を用意したいですね。酵素にはレッドビーシュリンプにとって有効な働きがいくつもあると言えます。
レッドビーシュリンプ水槽に酵素を添加するメリット
3つの酵素の働きが、レッドビーシュリンプにとって良いと分かっていただけましたでしょうか。
レッドビーシュリンプ飼育に有効な酵素
- 消化・栄養吸収に作用する酵素
- 新陳代謝に作用する酵素
- 水質浄化に作用する酵素
urushiは酵素の添加は、メリットが多いと考えます。
本来であれば、河川の流れが土壌からバクテリアやミネラルなど様々な物質を、ヌマエビ(レッドビーシュリンプの元となった種)が暮らす水辺へと絶え間なく運び込まれます。それとは逆に、飼育環境は人工的であり自然恩恵は受けられず閉鎖され消費していく一方です。
水道水や地下水、RO水などをレッドビーシュリンプの飼育には使うと思いますが、その水作りの際にも酵素は役に立つと言えます。
酵素やミネラル剤を上手に利用することで人工的な水槽下で自然界以上の好環境を作り、レッドビーシュリンプの飼育を成功させることができます。
水槽立ち上げ時&定期的に酵素を仕込もう!
立ち上げ時、ソイルに酵素を混ぜてあげるのはとても効果的です。酵素が微生物の働きを応援する形になり、分解消化の処理スピードアップが図れます。
酵素を添加することで、化学反応を促進させバクテリアの働きの助けになります。もっとシンプルに言えば、『水質浄化に作用してる』ということになります。
urushiのレッドビーシュリンプ水槽立ち上げ
レッドビーシュリンプに効果がある酵素 まとめ
レッドビーシュリンプにとって酵素は、消化・栄養吸収を助けてくれたり、新陳代謝を促したり、水質浄化に役立ったりするとurushiは考えています。
酵素はとても良いものだ。と何となく理解いただけたところで、知っておかないといけないことがあります。
それは、酵素は5,000種類ほどあると言われており、その一つ一つが特定の1つの物質に対してしか働かないということです。
アミラーゼがデンプンにしか作用しないのと同じです。(このことを酵素の基質特異性といいます。)これはどういうことかというと、水槽に添加する酵素によって働きかける物質が大きく変わることを意味します。
何に作用する酵素を添加するのか?ということが大事なポイントとなります。
urushiが開発したわけではないので断言はできませんが、有名なシュリンプのブリーダーさんが発売してる酵素は、きっとそんな点を踏まえた色々な酵素のブレンドなのかと想像しています。
実際に効果を感じているからこそ、urushiは酵素を水槽立ち上げ時はもちろん、稚エビの餌としても使っています。
urushiが使っている酵素2つ
酵素以外に添加したいミネラルとカルシウム
良い情報やご質問あればどうぞ!