本気でレッドビーシュリンプの水を学びたい人へ|浄水器で水作り

本気でレッドビーシュリンプの水を学びたい人へ|浄水器で水作り

urushiは職業が研究者である側面も持っていたので、水に対するレッドビーシュリンプの飼育開始ごろから関心は相当なものでした。

レッドビーシュリンプで色々と勉強した結果、本業で遺伝子組み換えのデリケートな魚の稚魚の飼育環境を整えたり、国内で飼育が難しい養殖魚の養殖場を責任者として立ち上げることまでできました。

urushi

趣味のアクアが仕事の役に立つ時が来るとは!

レッドビーシュリンプなどのエビは魚類よりも飼育水との関係性が深く、酸素だけでなく栄養やミネラルなどエラを通して水から吸収をしています。さらに脱皮時には柔らかい殻から一気にたくさんのミネラル分などの吸収も行います。

稚エビなんかだと親えびに比べると脱皮回数も多いので、より一層飼育水に注意が必要なのも納得できると思います。レッドビーシュリンプに合った水作りその水を使った水槽の環境を維持してあげれば、少しデリケートであるレッドビーシュリンプを殖やして選別して…といったところまで持っていけます。

といってもurushiも最初からレッドビーシュリンプの飼育が成功していたのか?というと、そうではありません。ポツポツ死んでしまうことも経験していますし、上手くいかないスランプもあり悩んでいた時期もありました。

urushi

めっちゃ試行錯誤した経験と飼育水のポイントを紹介します。

そこで、urushiが取り組んだ『水作り』の話を自由に書きたいと思います。もうマニアックな次元の話なので、ガチガチに受け止めなくても良いです。

目次

水を観察しよう!レッドビーシュリンプに重要な飼育水

つい先日レッドビーシュリンプが入ってる水槽のエビを全員、立ち上げてた予備の水槽に移しました。なぜか??

urushiはとーっても『水』にこだわりを持っています!毎日、レッドビーシュリンプもそうですが『水』の観察も念入りにしています。

ここ1週間くらいレッドビーシュリンプの1つの水槽の水が、なんだか気に入らない状態だったので。

テリやツヤってのが若干悪い・・・たぶん「え?どこが??」って言われそうな微々たる変化です。でも、urushiには納得できません!

urushi

ずっと水を見ていると違和感に気付くようになってました。

両方とも1センチ弱位の稚エビです。

1センチ弱のレッドビーシュリンプの稚エビ
1センチ弱のレッドビーシュリンプの稚エビ

1センチ弱くらいのサイズの個体が元気にぴゅーっと泳いでいる水槽だと『水』も安心です。

稚エビが元気に泳いでいたら安心
稚エビが元気に泳いでいたら安心

これくらいの成長期の個体が「何だか元気ない?」「ツマツマの動きが遅い」となると『水』になにかしら問題があります。

このサイズくらいの稚エビがおそらく一番の成長期であるので、『水』や他のモノから栄養となる物質の吸収を盛んに行っているんだと。その結果、悪い物があればそれだけ多く取り入れてしまう。

水の観察を行って稚エビに注目すれば、レッドビーシュリンプ水槽で1番怖い一気に調子が悪くなる「崩壊」が起こる前に、水槽の状態の初期の悪化に気がつくことができます。

1センチ弱くらいの稚エビが水の指標になるのには、脱皮を盛んに行うサイズであるとともに、可視しやすいサイズだからです。もっと小さな稚エビほど脱皮の回数は多いのですが、死んでしまうと簡単にバクテリアに分解されて消えてしまう。つまり、気がついたときにはみんな消えてしまうので、手遅れになってしまうんです。

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もう少し小さいと消えるように死んでしまうので発見が難しい。

稚エビが育たない水槽は、そのうち親エビも調子を崩す水槽へとなります。

稚エビの元気具合は、一つの『水』の指標になりますね。

レッドビーシュリンプの水作りに苦労

urushiの水作りは、今から15年以上前、何もわからず水道水をカルキ抜きしてレッドビーシュリンプの飼育に使っていた時から話が始まります。

こんな事もありましたね!

水道水だけでなく、ちまたで、湧水が良いといわれていて遠方まで汲みに行っている飼育者もいたので、マネをして汲みに行ってみたこともあります。コントレックス(硬度が高いフランスのミネラル水)を入れて高度をあげた方が良いと聞けば、試したこともあります。

urushi

本当に水に関しては色々試してみました。

色々と試してきて多くのブリーダーさんもそうだったように、エビは薬剤に弱いのでカルキ抜きの薬剤を使わない方が良いので塩素を除去するフィルターを通して飼育するスタイルになりました。

urushi

水槽が増えれば、遠方に水汲みにも行けませんしね。

実際にurushiが使ってきた浄水器は時系列で、マーフィード スタンダードマーフィード エキスパートフレッシュマーフィード スタンダードネオの3つです。

レッドビーシュリンプ飼育で使った浄水器
  • マーフィード スタンダード
  • マーフィード エキスパートフレッシュ
  • マーフィード スタンダードネオ

後で詳しく説明しますが、同時に使用していたわけでなく、最初にマーフィード エキスパートフレッシュを使いレッドビーシュリンプの飼育&繁殖に成功。引っ越しで水質が変わったのを機にマーフィード スタンダードネオを使ってレッドビーシュリンプの飼育をしています。

カルキ抜きだけならこれでOK

どうしても上手くいかない!RO水を使おう

レッドビーシュリンプを飼い始めた時、urushiは少し古いマンションに住んでいました。

レッドビーシュリンプの前は小さな水槽で熱帯魚を飼っていたのですが、そちらは絶好調。そこから派生してレッドビーシュリンプに興味を持った感じです。魚が好きで中学の頃から熱帯魚や日淡、高校生になると大型のアクリル水槽で古代魚などまで飼育していたので、アクアリウムは初心者ではなく当時で10数年のキャリアはありました。

でもですね、レッドビーシュリンプの飼育が上手くいきませんでした

ソイルを工夫しても、立ち上げ方法を変えても、レッドビーシュリンプの入手先を変えても、ポツポツ死んでしまう。工夫を凝らしてポツポツ死んでしまうことをクリアできても、稚エビは育ちませんでした。

元気なレッドビーシュリンプはツマツマが速い
元気なレッドビーシュリンプはツマツマが速い

当時、カルキ抜きの薬剤は使ってなく、マーフィード スタンダード クラシックを使っていました。スタンダードはカルキと大きな不純物を取り除くフィルターです。(当時はネオがまだ発売されてなく、クラシックを使用。クラシックとネオの違いはホースに繋ぐジョイントがあるかどうかで、浄水機能は同じです。)

八方塞がり何が悪いか分からない。そこで『どうせなら一から水を作ろう』と、RO水を使うことにしました。urushiは実験者だったので、純水(RO水)をよく職場では使用していました。

urushi

どうせなら、RO水を使おうと考えました。

製薬実験などに使われるRO水。何も不純物が含まれない純粋です。しかし純粋では、生き物は生きていけません。それは必要なミネラルやどが全くないから、イオン化が水中で起きないためです。逆に考えると、悪さをするような物質も何も入っていない水だという考えに至りました。

urushi

逆に言えば、悪いものも何も入っていないよね!

RO水を使うには、自分でミネラルを調整する必要があります。この調整作業こそが、水作りのノウハウを身に着けるために役立ったと思います。

夏場の水は冬の水と全くの別物!

RO水を使おうと考えた理由にはもう一つあり、夏場になると水が悪くなることに気が付いたからです。

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これは職場で偶然気がついたことです。

製薬会社では実験に影響がないことを示すために、上水の検査を年に2回行います。この時期は8月と2月。8月と2月で検査項目も変わり、8月の方が多くの検査項目をチェックします。

これは8月は元水となる川などの水温が上がり、微生物が繁殖しやすくなること、また水温が上がることで色々な物質が水中に溶けだしやすくなることが分かっているからです。

ちなみに微生物の繁殖を抑えるため、8月夏場は塩素添加量が増やされます。さらに重金属類の検出量も上がります。

urushi

もちろん人が飲むには問題ないレベルです。

しかしレッドビーシュリンプなどのエビのように鰓からも水を通してい体内に栄養補給している生き物には害はあります。微生物を死滅できるのですから。

エビ(レッドビーシュリンプなどヌマエビ)は微生物同様、自然界では分解者でありピラミッドの底辺です。『微生物の繁殖を抑える=死滅させる水』がエビには負担になることは、容易に想像できます。

好調な水槽だと稚エビが育つ
好調な水槽だと稚エビが育つ

それに加え、urushiが住んでいたマンションにも問題がありました。おそらく配管が古い?貯水槽の水温が上がりやすい?などが考えられます。(これは、レッドビーシュリンプの飼育に成功してから分かったのですが、マンションの水質が冬場より悪くなっていました。)

urushiがレッドビーシュリンプの飼育を本格化したのが春くらいで、だんだんと気温が上がり水質が悪化していたんです。

このようなことを踏まえ、家庭用でなおかつ熱帯魚の飼育に使えるRO水の浄水器を購入しました。

urushi

何が悪いのか分からないから水作りから始めました。

水作りを一から!エキスパート フレッシュ

結論から言うと、どうしても上手くいかなかったレッドビーシュリンプの飼育&繁殖でしたが、浄水器をマーフィードのスタンダードからエキスパートフレッシュに変更後、びっくりするほど上手くいきました。

エキスパートフレッシュで繁殖成功
エキスパートフレッシュで繁殖成功
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浄水器の変更で稚エビが増えるようになりました。

マーフィードのエキスパートフレッシュとスタンダードの違いは、スタンダードが大きな異物とカルキを除去するカーボンフィルターなのに比べ、エキスパートフレッシュは浸透膜での濾過なのでカルキなどに加え不純物を取り除きTDS値(導電率)を下げてくれることです。

  • スタンダード:塩素と大きな異物除去
  • エキスパートフレッシュ:塩素、不純物除去、TDS値を下げる

TDS値についてはレッドビーシュリンプの水質|数値目標を持つ!TDS/pH/GH/硝酸塩/亜硝酸/アンモニアに詳しく書いたので、ご興味があれば覗いてみてください。

『多くの熱帯魚が好む軟水環境を提供するRO浄水器』と、うたわれています。

ミネラルを少し残してくれる
ミネラルを少し残してくれる

水道水に含まれる残留塩素や重金属を除去する一方で、硬度成分であるカルシウムやマグネシウムは完全に取り除くのではなく、30%から50%程度残して除去するします。これにより、軟水環境を好むエビや魚や水草に最適な環境水を提供する事が可能となります。 マーフィードのHP

urushiの状況では、TDS値が100ちょっとあった元水から、16前後まで下げることができました。

TDS値をフィルターを通して下げる
TDS値をフィルターを通して下げる

このようにマーフィードでは紹介されています。高度成分が30~50%残るというのがとても良く、このまま使用することで軟水に、さらにミネラルやカルシウム剤を加えて調整することで好みのTDS値まで持っていくこともできます。

しかも重金属が除去された水に、ミネラル分だけをプラスアルファーできるのです!

エキスパートフレッシュでTDS値を下げた水を使えば、自分の好きな配合でミネラルやカルシウムを添加レッドビーシュリンプの飼育水として使うことができます。余計な成分を取り除くからこそ、水を一から作ることができます

水作りで大事になるミネラルなどの使い方はレッドビーシュリンプの添加剤|必要な理由と失敗しない使い方に詳しく書いてみました。もしよければ参考にしてみてください。

エキスパートフレッシュを入れてから、夏場にレッドビーシュリンプがポツポツ死ぬことはなくなりました。

マンションの配管なのか、浄水場から遠いからなのか、何らかの原因で稚エビには過酷な飼育水だったようです。浄水器を変えるだけで稚エビの生存率が上がったのは本当に驚きました。

抱卵したまま死んでしまう個体も無くなったので、弱い個体には水道水の中のカルキ抜きでは取り去れない何かの成分がよくなかったんだと思います。

水温がよく夏場ではネックになりますが、じつは上水の変化も大きな原因の一つとして潜んでいます。

urushi

urushiは4回レッドビーシュリンプと引っ越ししてます。

引っ越しをすると、地域ごとの水の違い。さらに集合住宅か、戸建てか。上水処理場からの距離で水が全然違うことに驚きました。

urushiは関西から関東へ転勤した際、実験で使用していた遺伝子を組み替えた魚の水を再現するのに苦労しました。市水の硬度がとても高かったのです。最終的にはRO水で関西の水の成分に近づけることで対応しました。

このように、地域や建物そして季節に左右されるのが水です。水を作ることが出来れば、自由に使いこなすことが出来ます。

その入門として、マーフィードのエキスパートフレッシュはとても良い商品だと思います。色々と勉強ができます。そのうえで自分のスタイルを極めて行けば、無敵ですよ!

浸透膜を使った浄水器は、浄水するのに時間がかかります。そこで役に立つのが加圧ポンプ。マンションなどだと戸建てに比べると水圧が低いことも多いです。配管が細かったりすると余計に。そんな時はちょっとお高いですが、加圧ポンプを繋げるとめちゃくちゃ時短できます。

加圧ポンプ
めちゃ便利な加圧ポンプ
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4〜6倍程度のスピードアップができます!!

本気で浄水器でレッドビーシュリンプの水作り まとめ

レッドビーシュリンプの飼育ではアクアリウム用の浄水器が必須です。薬剤に弱い一面があるのでカルキ抜き剤は使用したくないのに加え、水槽の数が増えてくるとバケツに水道水を汲み置いておくのも量が多くなるとなかなか大変です。

プロショップなどでは120センチなど大きな予備水槽で水を作って回していたりしますが、一般家庭では難しいです。なので、アクア用の浄水器が速くて安全でとても便利ということになります。

urushiの場合は、マーフィードのスタンダードを使用してレッドビーシュリンプの飼育&繁殖が上手くいかず、エキスパートフレッシュを利用し一気に成功した経験があります。

ちょっと古いマンションの配管が原因なのか、山手だったので浄水場からの距離が遠かったため、浄水施設での添加物の量が多かったのか…今ではわかりませんが、カルキ抜き効果だけのマーフィードスタンダードではどうしても夏場、調子を大きく崩していました。それがアクア用の簡易RO水精製型のエキスパートフレッシュに変更後は、バンバン夏場も稚エビが増えるようになりました。

urushi

どうしても、上手くいかないときは浄水器を変更するのもありです。

エキスパートフレッシュを使うようになると、TDS値が一気に下がった不純物の少ない水が手に入ります。そうなると、自分レシピでミネラル剤やカルシウム剤などを添加し、レッドビーシュリンプのためだけに水を一から作るようになります。これがすごく勉強になりました。

不純物をできるだけ取り除いた水が使える

エキスパートフレッシュを使って5年ほどしたら、また仕事の関係で引っ越し。そうすると水道水がまた良い感じだったのでマーフィード スタンダードネオを入手し、これを使うようになりました。

今ではシュリンプ専用の浄水器もマーフィードから出ています。スタンダードネオよりも少し物理濾過のフィルターが細かく設定されています。

urushiは買い直す事もなくスタンダードネオを愛用しています。コックがやっぱり便利で、ベランダのホースを分岐して使っています。

毎回浄水器を水道から取り外すなら、ホームセンターにも売っていますが、こういう水道の蛇口とワンタッチで取り外しできるタカギのコネクターがスタンダードネオには相性ぴったりです。

レッドビーシュリンプ用の浄水器に迷ったら、まずはスタンダードネオを使用したらいいかなと。もし、もっとマニアックに水を追求したくなったり、スタンダードを使用しても飼育が上手くいかないときはエキスパートフレッシュでもう一から水作りに挑戦するのも楽しいと思います。

urushi

飼育水を追求すると色々面白いですよ。

浄水の質以外にもチェックしておきたいポイント

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