レッドビーシュリンプの水温と水質– 日常の飼育管理のヒント –

レッドビーシュリンプの水温と水質について、レッドビーシュリンプ飼育歴15年以上のurushiがちょっとマニアックに思うがままに書いていきます。

レッドビーシュリンプはめちゃくちゃ可愛くて奥の深いエビなので、ぜひぜひ水質管理や水温管理といった日常管理をしっかりして、稚エビを殖やして可愛がってあげてください。

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水温や水質といった日常ケア方法をご紹介します。

レッドビーシュリンプの水温について

レッドビーシュリンプを好調に飼育できる水温は22℃〜26℃許容範囲としては18℃〜28℃くらいです。

レッドビーシュリンプの水温
  • 好調に飼育できる水温:22℃〜26℃
  • 飼育の許容範囲:18℃〜28℃

好調に飼育できる水温というのは、レッドビーシュリンプが調子よくどんどん稚エビも増えて活性が良い状態を維持できる水温と考えてください。

許容範囲というのはレッドビーシュリンプの調子はちょっと良くないけど、死んだりする心配はない水温です。つまり18℃以下や28℃以上になると、レッドビーシュリンプの活性は一気に低下し、最悪の場合は死んでしまう危険性があります。

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レッドビーシュリンプの飼育は水温管理がとても重要です。

18℃以下や28℃以上になるとレッドビーシュリンプには危険な水温になる

レッドビーシュリンプは熱帯魚などに比べると水温変化特に高水温に弱く、ちょっと気をつけてあげないとすぐに死んでしまう繊細な部分があります。

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水温計はデジタルのもので確実に計測しよう!

夏場に気をつけたい水温上昇

レッドビーシュリンプの水温で一番気をつけたいのが夏場の水温上昇です。26℃以下で飼育し、レッドビーシュリンプが死んでしまわないようにしてあげましょう。

夏場の水温上昇に注意
  • 基本的には、最高水温は28℃以下での飼育が必須。安全なのは26℃以下
  • 28℃以上になってくると死亡のリスクが高まる。
  • 血統により弱い血統は28℃以下でも死亡する。強い血統は30℃近くでも元気なこともある。

水温が上昇することによって直接的なダメージももちろんあるのですが、水温が上がにつれ飼育水の溶存酸素の量がどんどん減ってしまい、レッドビーシュリンプが酸欠になるという側面もあります。

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水温上昇はレッドビーシュリンプの生命に大きく関わる要素です。

夏場のレッドビーシュリンプの水温や対策についてはレッドビーシュリンプの夏の水温|酸欠に注意!原因と対策にもっと詳しく書いているので、読んでいただいて水温には本当に気をつけてあげてください。

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水槽の数が多ければエアコンの使用が効率的です。

水槽の数が少なければ水槽用のクーラーや冷却ファンを利用できる

冷却ファンの利用は逆サーモが必須です

冬場に18℃以下ならヒーターを使う

冬場に18℃以下になる場合は、ヒーターで加温してあげると良いです。レッドビーシュリンプは高水温には極端に弱いのですが、水温が低い分には多少耐えられます

ですが、18℃以下になると活性が著しく低下し、餌を食べなくなり脱皮もせず、もちろん抱卵や稚エビの誕生なども無くなります。そうなるとレッドビーシュリンプにも負担になりますし、水槽自体の鑑賞価値が一気に低下してしまうのでヒーターで加温してあげるほうが望ましいです。

冬場は水温次第で加温する

18℃以下になると餌喰いも悪くなりレッドビーシュリンプに負担になってくるのでヒーターで加温する。

また、18℃以下では脱皮しなくなり一気に繁殖しなくなるので、稚エビを増やしたい場合にも加温は必須。

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水槽の設置場にもよりますが18℃以上をキープしてあげましょう。

ヒーターとサーモスタットがセットになっているタイプのものがスタイリッシュで使いやすいです。

季節の変わり目には水温の日内変動に注意

季節の変わり目や、水槽用クーラーやヒーターで水温をコントロールしていない場合にも注意したいのが、水槽内の温度が1日にどれくらい上下するのか?ということです。

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水温の日内変動と言います。

水温の日内変動にも注意

1日の中で2℃以上の水温変化は避ける。(朝25℃で昼間28℃など。)

人間でもそうですが、1日の気温の上下の差が大きければ体調を崩します。レッドビーシュリンプも同じです。人間の場合、服を着たり脱いだりと調整できますが、レッドビーシュリンプは水温に大きく影響を受けます。

季節の変わり目で朝晩の寒暖差があったり、人間がいるときだけエアコンをつけていたり、すると…知らない間に水温が急上昇や急降下していることもあります。

最高水温&最低水温を自動で記録するデジタル水温計で1日の水温の変動を確認してあげることも大切です。

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最高水温、最低水温を自動で記録するデジタル水温計が便利です。

水温の変動が激しい場合は、ヒーターや冷却ファンなどを利用してなるべく水温に変化がないように工夫してあげることが必要になります。

レッドビーシュリンプの水質について

レッドビーシュリンプは割と幅広い水質に適応しますが、水質の急な変化には熱帯魚などより確実に弱いです。

さらに、熱帯魚などならまだまだ元気にしていられる程度の水質悪化でも、レッドビーシュリンプにとっては生命の危機に瀕することもよくあります

レッドビーシュリンプの飼育をする上で、立ち上げ時のアンモニアや亜硝酸などの水質チェックに加え、日常的な水質チェックも必要になります。

数値的な水質チェック

urushiの水槽の水質の数値目標をご紹介します。括弧内は許容範囲の大体の目安と思ってください。水質に関して言えば飼育スタイルによるところが多いので、一概にこれが全て!というわけではありません。

といっても、初心者さんだと参考になるものが何もなければ、迷子になってしまいますよね。ですので「urushiはこんな感じで飼育していますよ」という感じで理解してもらえればと思います。

下記の数値は、あくまでurushiの水槽の数値であり、目標とする数値です。

水槽の水の目標数値
  • TDS:120ppm(90~250)
  • pH:5.8~7.0(pHにこだわりはありません。)
  • GH:7(5~17)
  • 硝酸塩:50ppm以下(100以下)
  • 亜硝酸:0ppm=検出以下
  • アンモニア:0ppm=検出以下
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軽い気持ちで参考にしてみてください。

レッドビーシュリンプの水質や測定、一番urushiがチェックしているTDSなんかについてはレッドビーシュリンプの水質|数値目標を持つ!TDS/pH/GH/硝酸塩/亜硝酸/アンモニアに書いたので、よかったら覗いてみてください。

生物的な水質観察

生物的な水質観察と小難しく書いてみましたが、要は水槽の状態を観察して水質に異常がないかチェックしましょう!ということです。

数値と違ってちょっと慣れないと難しいですが、水槽の状態の良し悪しを判断するにはやっぱり観察眼が大切になってきます。そのバロメーターになる生き物がケンミジンコだったり稚エビだったりします。

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水槽をよく観察していると異常に早く気づくことができます。

ケンミジンコやカイミジンコ

ケンミジンコは立ち上げの時にもとても参考になる微生物で、立ち上げ時にケンミジンコが元気にたくさんいる水槽は、後々でレッドビーシュリンプを導入した時に稚エビがよく増える水槽になることが多いです。

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ケンミジンコが元気だと『爆殖』水槽の予感です。

反対に、よく似たミジンコという名前がついていてもカイミジンコには注意したいです。

カイミジンコは立ち上げてから時間が経った水槽で発生しやすく、カイミジンコ大量に増え過ぎた水槽は何故か親えびクラスのレッドビーシュリンプがポツポツ死んでしまったりすることが多いです。

  • GOOD:ケンミジンコ
  • BAD:カイミジンコ
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urushiはカイミジンコは駆除するようにしています。

ケンミジンコとカイミジンコについて経験上の情報はレッドビーシュリンプ水槽の指標『ケンミジンコ』と駆除したい『カイミジンコ』に詳しく綴ってみたので良かったらみてください。

レッドビーシュリンプの稚エビ

親えびがポツポツ死んでしまう水槽は、観察するまでもなく『調子が悪い水槽』であるということは分かりやすいです。水槽の観察で注目したいのは稚エビが育たない水槽です。

いつの間にか稚エビが消えるようにいなくなってしまう水槽は、状態の良い水槽とは言えません。

調子の良い水槽は、親えびが次々と抱卵し順番に稚エビが孵化しているので、いろんなサイズのレッドビーシュリンプの稚エビが水槽内にいるようになります

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水槽内にいろんなサイズの稚エビはいますか?

水作りはレッドビーシュリンプの飼育の基本

レッドビーシュリンプの飼育を成功させようと思えば、だんだんと飼育水について考えるようになります。

レッドビーシュリンプなどの甲殻類は、呼吸だけでなく水からミネラルや栄養分を吸収したりします。特に脱皮後の柔らかい殻の時には周囲の水を多く取り込みカルシウムなどの吸収をます。

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魚に比べ、レッドビーシュリンプは水との関係が深いです。

レッドビーシュリンプの水作りにチャレンジ

ミネラルなどの成分にすごく恵まれた湧水や井戸水が自宅周辺に出ていない場合、レッドビーシュリンプのために水を作ってあげる必要があります。

レッドビーシュリンプよりも難易度が高いエビの場合は、水作りはより一層シビアなものになります。

大まかな水作りの手順
  1. 浄水器でカルキや不純物を除去する
  2. ミネラル・カルシウム・酵素などを追加する
  3. 換水や足し水を行う

まずアクアリウム用の浄水器を用いて、水道水に含まれるカルキや不純物を除去します。その水にミネラルやカルシウムなどを添加し水換えの時や足し水、水槽立ち上げの最終段階などに利用します。

ミネラル等は使い方を誤ればレッドビーシュリンプの飼育に失敗するので、慎重に行なってください。詳しくはレッドビーシュリンプの添加剤|必要な理由と失敗しない使い方にまとめています。

一から水作りを学びたい場合は、RO浄水器を使ってみよう

urushiも使っている簡単にカルキ抜きできる浄水器

定期的に水換えをしよう

レどビーシュリンプの飼育スタイルは人それぞれで、昔から『水換えを行わない足し水派』と『水換えを定期的に行う換水派』とがあったりします。

上手くレッドビーシュリンプの飼育ができていれば、趣味の世界なので自由です。urushiも15年以上レッドビーシュリンプを飼育しているので色々試しているのですが、自分の場合は換水派で落ち着いています。

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urushiは定期的に水換えを行う換水派です。

urushiの場合は、いろんな意味があるのですが、大きくは2つ。硝酸塩というアンモニアから分解された物質がだんだんと飼育水に溜まるのと、新鮮なミネラル等をレッドビーシュリンプに与えたいという理由があります。

自分の飼育スタイルを見つけるまでは色々試してみてください。高頻度で換水すると水質が安定しないので、こればっかりは調子を見ながらやってあげてください。

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変化は最小限に、水換えも一気に大量だとNGです。

水換えの詳細はレッドビーシュリンプ 水換え|定期的な水換えのすすめ!硝酸塩を放置しないに書いてみたので、参考に行ってみてください。

あと、カルシウム剤のアラガミルクなどを使っているとナトリウムイオンが蓄積するので定期的な水換えはやはり必要になってきます。

urushiが使っている最強カルシウム剤

アラガミルク